第7回金沢学会

金沢学会2014 >基調スピーチ

開催概要

■テーマ 『遊楽都』

知性と感性のリゾート、遊楽都をテーマに

 

 

 

 

金沢創造都市会議開催委員会
副会長兼実行委員長
福光松太郎氏


 今年も早いもので創造都市会議・金沢学会の季節になりました。今日は大変ご多用の中、ゲストの皆様に金沢にお越しいただき、誠にありがとうございます。またご参加の皆様もご多用の中、ご参加をいただきましてありがとうございます。企画委員会をはじめスタッフの皆様に心より御礼を申し上げます。私からは開催概要の解説させていただきます。
安宅代表幹事からご挨拶いただきましたように、たまたま北陸新幹線開業の100日前の開催となりました。何か縁があるのかなと思います。地元の方は何度もお聞きでしょうがゲストの方に紹介しておきますと、3月14日に北陸新幹線が開業いたします。その中で「かがやき」は一番早く2時間28分、12両編成で年間往復の座席数が1800万座席と非常に大きなトラフィックが動くことになります。
地元として県、市、経済界を挙げて取り組んでおりますが、関東からの来訪者数を倍にするのが目標です。これを実現すると年間500万人になります。さらに関西など全国からの誘客を含めて大体一年に360万人増えると一日あたり1万人増える概算をしています。今、約2万人の来訪者数が金沢市にいらっしゃいますので、そういうことでは五割増しと考えております。
最速で2時間28分というのは微妙な時間で、この時間では全てのビジネスマンが日帰りするわけでもなさそうだということで、地元側としては観光の方はもちろんビジネスの方も一泊していただくための「夜の魅力」づくりに取り組んでおります。最近では実際新幹線が開業したらどのような人ごみになるのかは体験してみないとわからないのではないかという話がされています。もの凄い人ごみになりそうな気もしますし、そうでもないような気もしますし、難しいということでわかりません。来年のコンベンションは約30予定されています。ユネスコの世界会議に経済同友会の全国セミナーもあります。ホテルのキャパシティを超えているようで、時期によっては部屋が足りていないようです。他に街の飲食店が急に増えたわけでもありませんし、このあたりの実情もよくわかりません。よくわからないため、これによりスタッフを増やす動きなどもないようで、準備をしていかなければならないと本日の北國新聞の社説に書いてありました。
経済的にはこのようなことが起こるわけで非常にありがたいわけです。同時に新幹線開業という一種の黒船がやってくることを考えると、これまでより全国に開けるので、他の新幹線が開通した場所に起こった平準化や大資本の進出がもたらされます。この地もたくさんの観光客や来訪客が来られるとともに、経済が潤いながらも個性には気を付けていないと平準化がもたらされます。悪く言うわけではありませんが、/Users/user/Desktop/KR2014HP/kg2014/2014_workshop.htmlハウスメーカーのコマーシャルも非常に増えておりまして、新幹線が着く場所についてマーケティングを激しくなさるのだろうと思います。ひがし茶屋街は黒い瓦の街でありますが、このあたりに一軒でも赤い瓦の家が建つとこの一軒で金沢のイメージが壊されるリスクもあるのは間違いありません。これまでこの地域は明治維新も第二次大戦の敗戦もなんとか潜りぬけて、江戸との繋がりを持ったままこのような地になって参りました。この新幹線という黒船を乗りこなしていくにはどうすれば良いか、それが大きなテーマになってきていると思います。
当初企画委員会の方ではポスト新幹線や新幹線のもたらす問題点を全体テーマにしようと話ししていましたが、代表幹事からムードに水を差すようなものはおかしいのではとの指摘があり、力強く感じる方向へと「近未来への活力」にさせていただきました。つまり、余計な、迎える準備よりもさらに活力を持っていないと平準化の波に飲み込まれてしまうのではないかと心配しております。今回も今日と明日の議論でさらに活力が出るようなアイデアを聞かせて頂ければと思っています。
「近未来の活力」の切り口として3つを用意いたしました。セッション1が「大人の金沢らしさ」にさせていただきました。金沢は前市長の山出さんが非常に“観光”という単語が嫌いでありました。この単語をキーワードに使った委員会は10年ほど前かと思います。それほど“観光”という単語ではなくMICE的な町づくりを一生懸命して参りました。浅い感じや偽物くさいことはあまりしたくない、観光のために暮らしを変えてはならないというのが山出前市長の考え方でした。したがって我々は金沢の暮らしを続けていけるのかが大きなテーマであり、もともと金沢の暮らしぶりが大人っぽい意味でこのようなテーマを作らせていただきましたので、是非ご意見をお聞かせいただきたいと思っております。
セッション2が「都心に木造建築を」ですが、これは昨年の創造都市会議の分科会の1つが金沢に木造特区をという内容でしたので継続させていただきました。日本にとって近代化が防火と耐震で木造が全部否定されてコンクリートになっていきました。金沢の都心は悪しき近代化をやり直す時期に来ております。金沢の個性を考える場合どのように考えれば良いか色々とお聞かせいただければと思います。
セッション3は「トップクラスの創造都市」ですがユネスコの創造都市に認定されて5年くらい経ちました。創造都市にエントリーすることも創造都市会議で生まれたことでございます。名古屋と神戸が先輩にあたりますが、それぞれデザインの分野に当たります。工芸の分野で初めて金沢が認定されました。札幌はその次で4つ目にあたりましたが、10月1日付で発表された創造都市の認定が19カ国28都市と、合計69都市となりました。日本では浜松市が音楽文化、鶴岡市が食文化で認定されました。金沢がしっかりした創造都市であるには今のままで良いのかということでセッション3が設定してあります。真の創造都市であるにはどうすれば良いかを教えて頂きたいと思います。
明日の全体会議には例年通り山野市長が出られます。昨年の分科会の一つが「ユネスコ創造都市世界会議に向けて」ということでしたが、金沢市の企画課のほうで一緒に進めていて、5月24日〜28日まで開催いたします。都心にコンベンションビルがいるのではというのが議論になっております。また富裕層の方が訪問する際にプライベートジェットを駐めることができないのではという議論もされております。ワールドネットワークを持っている外資系ホテルがないのではという話や二次交通の話など積み残した話がたくさんあります。是非、皆様がたでお話しをしていただき、平準化乗り越え、個性を伸ばしていく議論していくことを期待しております。第7回の金沢学会どうぞよろしくお願いいたします。


 

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